村では、小林様宅を『コベエ様』と呼び親しんでいた
同家は
『 おばあさん』ではいけなく、
『叔母さん』でもなく、
『おばさま』と呼ばれていた年配の方が仕切っていた。
『ただいまもどりました』
(小林先生)
『はい、おつかれさん』
(おばさま)
小林先生は学校から自宅に戻ると、
第一番に『おばさま』に三つ指をついて
帰宅のご挨拶してから台所へ。
小林先生は村の小学校の先生であり、
一年生の優しい担任だった。
そして、つね(もとい・つん様)の母親でもあった。
その先生が家に帰ると『おばさま』
にひれふす姿が不思議だったね。
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